スール「芸術の秋だー! 芸術の秋だぞー!!」
リディー「どうしたのスーちゃん。まるで狼少年みたいなこと言って」
スール「秋と言えば芸術! あと食欲! だがあたしは美と麗を追求する女!!」ドパーンッ!
リディー「なるほど。つまり『食欲の秋でお腹が空いたけど我慢する為に芸術に力を入れて空腹感を消そう』ってことだね?」
スール「さすがだね、我が姉よ。」
~~~
スール「ちょうど画材もバカオヤジのがあるし、まずは絵からいってみよっかなー」
リディー「よぉーしっ! パパ、はりきっちゃうぞー!」
「奴に絵を描かせるなーーーーーーーーッッ!!!」
「いいや、限界だ! 描くねッッ!!!」
―ドパーンッ!
ルーシャ「おーっほっほっほっ!!!」
スール「リディー、ちょっと赤絵の具取ってくれない?」
リディー「ん」スッ
スール「ども」パシッ
ルーシャ「死のう」ガラッ
スール「Σわぁぁあああ!!!; ごめん、ごめんってばルーシャ!!!;」ガシッ!
リディー「あれ、なにこれデジャヴ?」
スール「そんな難しいこと言ってなくていいから、リディーも手伝ってよ!;」
リディー「……えっ? 私、そんなに難しいこと言ってた?」
ルーシャ「いいえ、まったく?」
スール「キミたちほんとになんなの?」
~~~
リディー「テーマは何にするの?」
スール「リディーだと何描いてもゼーレキャンバスになるじゃん」
リディー「スーちゃん、今何か言った?」
スール「いいえ、何も言っていませんわおねえさまぁ」
ルーシャ「もうここは間を取ってスーでいいのでは?」
リディー「それだっ!」
スール「うん、リディー、『それだ』じゃないよね。そして間を取っての意味も間違ってるし、そこであたしにする理由がないし。ただ単にあたしを描きたいだけでしょ?」
「「はい」」
スール「認めやがった」
リディー「――――でーきたっ♪」
スール「よぉーし、じゃあ見せ合いっこするとしようか!」ガタッ
ルーシャ「おーっほっほっほ! このくらい、私にかかれば赤子と青子と黄子の手をもぎ取るようなもんです!」
リディー「ルーちゃんもスーちゃんみたいなこと言うんだね。」
ルーシャ「そういう気分だったんですよ。」
「「「せぇーのっ!」」」
―コトッ 【少女コミック風:スール・マーレン】
―スッ 【児童小説挿絵風:スール・マーレン】
―バァーンッ! 【ピカソも腰を抜かす:混沌の物体】
スール「リディー、屋上に行こっか。久しぶりに……キレちまったよ……」ガタッ
リディー「スーちゃん。ウチに屋上はないよ?」
ルーシャ「な、なんですか、この大量のマーブル模様は……;」
リディー「えっとね、スーちゃんの可愛さを表現する為にハートをいっぱい描いてみたの」
ルーシャ「どうみてもただの丸です、本当にありがとうございました。」
マティアス「これは先端恐怖症には辛いだろうな……;」
スール「誰だ今の」
マティアス「よっ! 俺だよ、俺!」
ルーシャ「……どちら様でしたっけ?」
リディー「スーちゃん、知ってる人?」
スール「ううん、知らない」
リディー「もしもし、おまわりさんですか? 家に不審者がいて……」
マティアス「Σ通報するなって!!!;」
スール「あはは、冗談だよ冗談ー♪ やーい、マティアスのビビりー!」
リディー「はい……はい……。住所は――――」
マティアス「お前の姉は本気みたいだぜ?」
スール「あぁ、このリディーはガチだわ(確信)」
リディー「よし、通報完了ー! これで邪魔者は消えるね♪」
マティアス「お前の姉が何やら怖いことをぬかしているんだが?」
スール「大丈夫、平常運転だから」
マティアス「いったい何があったらこれが平常運転になるのかを切実に問いたい」
スール「きっとそれが今話題のハッピーグルメ弁当なんだよ」
スール「マティアス、連れていかれたね」
ルーシャ「嫌な事件でしたね……」
リディー「次は何にしようか?」
スール「それにしてもこのリディー、ものすごい清々しい顔をしている」
ルーシャ「きっと喉に引っ掛かった小骨が取れたんでしょうね。」
リディー「どっちかというと、白い服についた墨汁が漂白剤できれいさっぱり落ちた方かな?」
スール「あたしは考えるのをやめた」
~~~
ソフィー「こんにちはー。たまたま通りかかったから様子を見に来たよ?」ガチャッ
リディー「あっ、ソフィーさん。こんにちは」
スール「ソフィーさん、助けてください」
ソフィー「えっ、何してるの?(嘲笑)」
ルーシャ「大きな魚拓を取ろうとしたのですが小魚しか釣れなかったのでかわりにスーの魚拓を取ることになったんです」
ソフィー「わかった。わからないけど。」
リディー「スーちゃんはお魚さんじゃなんだから、魚拓じゃないでしょ?」
スール「違う、リディー。おかしいところはそこじゃない。」
ルーシャ「あぁ、確かにそうですね。……スー拓? ですかね?」
スール「ボケにボケを重ねないでよ、お願いだから」
ソフィー「……とりあえず、その墨を落とそっか。」
スール「うっへぇ~……; 全然落ちないんだけど……;」
ルーシャ「そりゃあ錬金術で作った辱しめ用の特製墨汁ですsいつか落ちますよ、皮膚は崩壊と再生を繰り返すんです」ポン
スール「聞き流すと思った?」ガシッ
ルーシャ「Σエンブレムはッ! エンブレムだけはッ!!;」
リディー「あはは、スーちゃんナスDみたいだねー」
ソフィー「じゃあ、スミA(アルケミスト)ちゃんかな?」
スール「あれ? もしかしてあたしの味方いない系?」
「――――ここに、いるわよ。」
―バァーンッ!
イルメリア「ほら、使いなさい。絶対に落ちるせっけんよ。」ポイッ
スール「い……イル師匠……ッ!!」
イルメリア「た、たまたま依頼で作ったのがあまっただけなんだからね! 窓から覗いていたとか、そんなんじゃないんだからねっ!?///;」プイッ
リディー「イル師匠、墓穴を掘ってますよ。」
イルメリア「失礼、かみまみた」
リディー「イル師匠……(憐みの目)」
スール「イル師匠……確かに落ちましたけど、あたしの洋服RGBオール255もたまげるほど真っ白になったんですが?」
イルメリア「そりゃあ色落ちくらいするわよ。漂白剤とほぼ同じ成分なんだし」
スール「Σうわーーーーーーん!!! お母さんに作ってもらった洋服ーーーーーっ!!!(泣)」オロローン
リディー「……あっ! これでリアル塗り絵が出来るってことですね?」
イルメリア「こんな状況でもなおやろうとする姿勢にドン引きだわ」
リディー「はっ?」
イルメリア「そうね。……スー、アタシたちが塗り直してあげるわ」
スール「心底嫌な予感しかしないんですが」
ルーシャ「流石にスーも学習したんですね」
ソフィー「やったね、スーちゃん。知能Lvが1上がったよ!」
スール「おい、なあおい」
END…